四季を通じて楽しんでいただきたい風情。 ことに疏水沿いの桜は趣があります
南禅寺順正に勤めだして二年弱になりますが、お庭や界隈の自然が見せる風情は格別で、お客様にもぜひ四季を通じて楽しんでいただきたいです。私のお気に入りは本館入口に佇む鶯宿梅(おうしゅくばい)の木。一本から白とピンクとその間の色の花を咲かせる珍しい梅です。この花が終わると季節は桜の春へと移ろいます。
春から初夏にかけては、仁王門通を歩いていますと、疏水沿いの桜のつぼみが膨らんで花を咲かせ、やがて散って新緑を芽吹かせていく様子がとても愛らしくて。この時季、疏水を行き交う十石舟(じゅっこくぶね)の風景とも合間って、大変趣があります。南禅寺界隈の景色を楽しんだ後は、ぜひ名物のおとうふ料理を。会席料理に登場する山菜や筍もこの時季ならではの楽しみの一つです。
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