湯どうふの順正
しるす 訪れる 味わう 旬の味わい 京のこばなし 平成とうふ百珍 拝観・見学一覧 絵ハガキ マップ バックナンバー ホーム
-SHITATARI- 涼
祇園祭を彩る菊水鉾の涼やかなお菓子『したたり』
祇園祭を彩る菊水鉾の涼やかなお菓子『したたり』

人口100人あたり、約5人も学生がいるという統計があるほど、多くの大学が存在する京都。そんな大学のまちの、「大学いも」が今回のトピックです。

庶民のおやつ屋さんとして、京都にはさつまいも専門店が何軒もあったのですが、今ではめっきり減り、数軒ほどに。まだ商いをされているお店でも、焼芋シーズンのみの営業だったり。そんな中でも20年以上もずっと、一年を通してさつまいもだけで京都人の舌を満足させてきた「丸石」の ”ポテト”は、食欲の秋にふさわしい逸品です。

「大学いものことを、関西ではさつまいもなのに”ポテト”と呼ぶんです。もともとの中華ポテトという呼び名から残った言葉だと思うのですが」。そうお教えいただいたのは、昔からさつまいもが大好きだったという、丸石の店主 石原さん。

丸石はもともと、中央卸売市場からさつまいもを仲買し、京都のあらゆる味自慢の芋屋さんへ卸していた歴史を持つ、目利き。石原さんの代になり、さつまいも好きと目利きの経験を活かして、専門店に。特に人気の大学いもの味わいは無二で、一般的な大学いもは表面に蜜をからめることが多いのですが、丸石では蜜を「中に染み込ます」ためにつけ込むのが特徴です。その食感は、中まで”きんとん”のようにしっとりし、口当たりは柔らか。味わいは、選び抜いたさつまいものやさしい甘みと風味が、どこを食べても口の中いっぱいに広がります。

「鳴門にある200軒ほどのさつまいも農家の中でも、目当ては3軒ほど。秋からのシーズンは、お目当てを仕入れるために毎日市場に通いますねん」と石原さん。季節により芋の品種を選び、時期に合わせて加工時間を調整するのは当然、とばかりにお話しいただく内容は、傘寿を過ぎた方のお仕事内容とは思えないほどです。

場所は、京都水族館に続いて京都鉄道博物館が開業した、梅小路公園のほど近く。朝9時くらいから開店していますが、第一弾が出来上がるのは、お昼前です。今、京都の注目スポットへお出掛けついでに、大学のまち京都の美味なる庶民の”ポテト”を、ぜひ頬張ってみてください。

Information
丸石
京都市下京区七条壬生川西入ル歓喜寺町10-13
TEL:075(371)0852
 

丸石 店主 石原 朗さん

丸石 店主 石原 朗さん

「今は洋菓子など、いろんなお菓子が出てきていますが、素材の純粋な味わいが楽しめるのが大学いもの魅力です。お腹にも、しっかりとたまりますしね」。

祇園祭を彩る菊水鉾の涼やかなお菓子『したたり』


ページの先頭へ

ページの先頭へ