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-Ippon Udon- 啜る
極太をつるっと。たわらやの名物「一本うどん」
極太をつるっと。たわらやの名物「一本うどん」

 「一本うどん、といっても喉に詰まらせてはいけませんやろ。今は少し細くして、二、三本に切ってお出ししてます」

こちらは、菅公の“てんじんさん”北野天満宮の真ん前、「たわらや」の名物のおはなし。ころころっとお笑いになる女将 久保克子さんが運んできてくれたのは、丼にとぐろを巻くように横たわる名物うどん。以前は、男性の親指ほどの太さで、その名の通り、一本に繋がった長いうどんでした。

「以前より細く短くなったかてゆうても、ゆで時間は60分ほど掛かります。表面だけやわくなってもあかんさかい、茹でるのもコツがあります。ほら、眺めてばかりいんと、ぬくいうちに食べてみてくださいな」

お言葉に導かれて、箸でうどんを持ち上げると、ずっしり。長い茹で時間なのに、麺の角はしっかりと立ち、口に運べば、中まで均一の柔らかなもっちり感。太く、しかもうどんのみをいただく商品のため、京都らしい淡口の透き通ったお出汁には、並々ならぬ気遣いが感じられます。
「利尻昆布、鰹、めじかなどの削り節で引いた一番出汁だけしか使てません。名物うどんを美味しくお召し上がりいただくのには、出汁の旨味の濃さが大切ですから」

一本うどんには、おろし生姜がのぞきで一緒に供されますが、以前はうどんの上に乗せられていたのだとか。

「うちの前の通りは、昔は下の森から続く天神さんの参道。一本うどんは、お詣りの道すがら、腹持ちを良くするのと、身体を温めるのにぴったりだったのでしょうね」と、久保さん。

天神さんへの合格祈願や、二月の梅花祭へお出掛けの際は、ぜひぬくぬくの名物うどんをご賞味あれ。その際は、60分ほども茹でるおうどんですので、ご予約を忘れなく。

本店は、大正の末頃の町家。今では珍しい、商品をお見せする「見せの間」のある「お店」です。 京版画の巨匠 徳力富吉郎氏など、多く作家の題材とされてきた店舗外観。
Information
たわらや
京都市上京区馬喰町918
TEL:075(463)4974
 

浪川菓舗 並川 一久ご主人 雪子さん

たわらや 女将 久保 克子さん

「自分とこの店の外観が絵や版画などで、目にすることがあるんです。350年以上も前からある建物なんで、おかしなことないんですけど、不思議な感じがしますね」

太い麺を味わう楽しさを教えてくれる名物一本うどん。ぜひ生姜を入れてお楽しみください。



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